●町内会などに相談してみるのもひとつの手
葬儀の形式や規模などが決まったら,葬儀社に連絡しますが,選ぶのはなかなかむずかしいものです。ひとつの手としてその土地に長く住んでいる近隣の人や町内会などに聞いてみることもできます。また市町村役場に問い合わせてもいいでしょう。
企業などによっては,社員の福利厚生の一つとして特定の葬儀社と契約を結び,割安にしているところもあります。いずれにしても喪家に近いほうが何かと便利です。
●見積りをもらい予算内での契約を
葬儀社の営業部の人と打ち合わせをすることになりますが,喪家の意向が決まっていると葬儀社も具体的にアドバイスを行うことができます。
相談がまとまったら,葬儀社から見積りを出してもらいましょう。
多くの葬儀社はセット料金を採用していますが,セット以外の内容を依頼すると別途料金がかかります。見積りの段階で疑問点を解消しておきましょう。
また葬儀には,予定外の出費がつきものですから,基本的な内容は予算内で契約するのがコツです。 |
●自治体を利用する
全国の多くの地方自治体では,住民が格安の料金で葬儀を行えるよう,サービスを提供しています。
東京都を例にとると,区民葬を利用できるのは,死亡した本人あるいは親族が東京二十三区に住所を有している人で,区民が各区役所の窓口で申請すると交付を受けられます。自治体を利用する場合は,霊柩車の費用が別途になり,車種や走行距離で料金が異なってきます。
●農協の葬祭部を利用する
農協の組合員を対象に事業を行ってきたものですが,現在では組合員でなくても利用できるところもあります。
農協の葬祭部は全国各地城で独自に運営されていますから,料金やサービス内容なども地域によって異なっています。一般の葬儀社と比較して料金は割安ですので,利用する場合は,まず地元の農協に葬祭部があるかどうかを確かめることです。
●生協の葬祭事業
兵庫,京都,岩手,宮城などわずかな地域ですが,葬祭事業を行っている生協があります。なかでも注目されているコープこうべの「クレリ」は,地域の葬祭業者と提携して,組合員(百万人余)向けに低料金で葬祭サービスを行っています。
生協葬では「心づけ」は受け取らないことになっていますが,生協や葬祭業者が手配した火葬場職員やタクシー運転手,お世話係などには支払われることが多いようです。現在,葬祭サービスを計画中の生協が全国に数か所ありますので,親族のなかに組合員がいれば,加入先の生協に葬祭部の有無を確認してみるとよいでしょう。
●互助会にはいくつかのコースがある
互助会は,多数の会員のお金を預かるという性格上,通産大臣の許可を得て「割賦販売法」という法律の規制のもとで運営されているシステムです。加入者が毎月一定の金額を積み立てて,いざというときに互助会の施設やサービスを利用する制度です。従って近親者のひとりが死亡したといってすぐに利用できるものではありません。
互助会では,毎月の積み立て額と満期の総額を選べ,また満期を待たずに利用でき,権利を家族や友人などに譲ることもできるメリットもあります。提供される物品,サービス内容は互助会,金額によって異なりますから契約の際に確認することが大切ですし,不足するものは別途支払うことになります。また移転した場合も地域の互助会へ移籍も可能ですが,移籍先が限定されるのとサービス内容に地域差があり,その際は移転先の互助会の規定に従うことになります。
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●遺族か代理人があいさつに。所轄の警察で許可を
通夜や葬儀を自宅で行う場合は,近所にどうしても迷惑をかけることになってしまいます。遺族あるいは代理人があいさつに出向いて,迷惑をかけることをお詫びしておきます。
道路にテントを張ったり,弔問客で道路を占有してしまいそうな場合は,前もって所轄の警察に道路使用の許可をとっておきます。また臨時の駐車場の確保もしておくと便利です。
死亡届は火葬の前日までに提出
死亡届は,法律的に死亡した日から七日以内に提出することになっています。しかし,火葬許可証を発行してもらう関係から,死亡の日あるいは翌日に届けて葬儀に間に合わせる必要があります。ちなみに死亡届けは日曜,祝日,夜間でも受けつけてもらえます。
死亡届は死亡診断書と一対になっており,死亡を確認した医師が作成します。提出する用紙は一通ですが,故人の本籍地以外の役所に届ける場合は二通必要です。届けに行くのは誰でもいいのですが,届け人の印鑑が必要で,届け人は故人の親族あるいは同居人です。
事故死の場合は警察の死体検案書を添えて届けます。
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